スイス核シェルター訪問レポート~
小学校の校庭に備えられた地下シェルター
当協会のスイス特派員Hans Muller氏から、スイスのアールガウ州にあるヴィデン村の小学校に備えられた、大型の地下シェルターについてのレポートが届きましたのでご紹介します。
ヴィデン村はスイスの主要都市チューリッヒの空港から車で30分ほど走らせた郊外にあり、人口3,877人ほどの小さな村。農地が広がるのどかな雰囲気のこの村にも、核兵器に対応した住民用の避難シェルターが備えられていることに驚かされます。
すべての村民が避難できる
この小学校は今年の春に当協会の理事が訪問したところでもあり、その際は校舎の地下にある核シェルターを紹介しました。(それについては、過去記事をご覧ください。)
運動場の地下を利用した核シェルター
地下シェルター入口
防爆扉
外壁にある吸排気口
今回訪問した核シェルターは、前回訪問した校舎に隣接する敷地にある運動場です。入口が2箇所設けられていて、それなりに大規模な人数を収容できると思われます。校舎の方にもシェルターが備えられていることを考えると、周辺住民も収容することを想定していると思われます。
また、周辺のほとんどの民家にもシェルターが備えられていることを考えると、やはり普及率100%を超えていることを実感します。先日「国民保護」を題材にした記事でもお伝えしましたが( 過去記事はこちら)、人権意識が高いと言われるスイスや北欧の国々こそ、シェルターの普及率が高いという現状があります。
冒頭に、こののどかな村のシェルター整備に”驚かされる”と申し上げましたが、これは一人一人の国民を守るという意識が高ければ当然の結果なのだろうと思いますし、むしろ彼らからすれば日本のシェルター普及率の低さに驚かされるでしょう。
日本核シェルター協会
スイス特派員 Hans Muller、事務局