協会について
理事長のご挨拶
Message
私たち日本核シェルター協会は、2003年の設立以来、一定の水準を満たした核シェルターの普及を目的として活動してきました。日本ではなじみの薄い核シェルターですが、世界的には特別なものではありません。核シェルターの普及率100%を超えるスイスをはじめ、世界の国々は核シェルターを配備しています。
先般、スイスを訪問した際にウクライナの避難民の家族にお会いすることができました。その体験で改めて実感したことは、戦争は絶対にあってはならないということです。世界では核軍縮が重要な課題として取り沙汰されています。核兵器廃絶が私の願いで、核シェルターの必要のない世界が理想です。しかし、核軍縮すら進まないのが現状です。
これまで日本は、世界で唯一の核攻撃による被ばく国であるにもかかわらず、核攻撃はないものとされてきました。しかし現在日本は多くの核保有国に囲まれています。しかも、どの国も強権国家であり、自国の戦力を誇示しています。そういった現状がありながらも、未だ核シェルターの普及が整っていない状況には嘆くばかりです。
日本に核爆弾が落とされたのは紛れもない事実であり、爆風や被ばくで多くの国民が亡くなり、生き残った方であってもその後の人生に大きな苦しみを受け、そして今も苦しみ続けている人々がいます。私たちはこの現実を直視し、二度と国民が苦しむことがないように、現実的な対応をしていかなければいけません。
また、核攻撃ばかりが注目されますが、通常兵器であっても地上の建築物は爆風や火災で崩壊する可能性が高いのです。それは世界中の戦争や紛争のニュース映像を見ている皆さんもお分かりだと思います。最も強固な造りである核シェルターであれば、通常兵器の被害を防ぐこともできるのです。
さらに日本では、もっとも身近な脅威として、多発する地震や噴火といった自然災害があります。核シェルターはこうした自然災害からも人命を守ることができますし、備蓄品を納めるシェルターにもなるのです。このことからも核シェルターが日本に必要であることは明らかです。
今後も私たちは、この核シェルター普及を現実的に前に進める活動をしていきます。
まずは国際基準となっているスイスの核シェルターの規格を、建設や建築に関わる会員と共有していきます。また、核シェルター建設はまさしく国土強靭化に繋がりますので、シェルター整備を検討している国や自治体とも協力していきます。
そして何よりも全ての国民が、Jアラートが鳴っても逃げ込む地下施設がない、どこへ逃げていいのか分からないというような異常な世界から、どこにいても避難施設に困らない全うな世界へ変えていきます。
核シェルターは子供たちの未来を守ります。私たちはそのことを一人でも多くの国民の皆さんに知っていただく活動をしていきます。
池田 時浩
設立の背景
Background
昭和42年(1967年)。
放射能や原子爆弾をただ恐れるばかりではなく、人類が作り出してしまった脅威として目を背けず、それが何であるか?を、安全保障の観点から冷静に科学的に直視し考え行動すべきだと、著書をもって訴えた人物がいました。
その著書は中央省庁や全国の主要図書館をはじめ、知事、市長、東京丸の内近辺に事務所を持つ企業にまで無償で進呈されました。企業に至っては建設業に限らず、銀行、保険会社までも含まれていました。
建設業はともかく、なぜ銀行や保険会社にまで進呈するのか?その問いに対し著者は、
「日本はマイホームを持つにもローンを組まなければ叶わない夢。核シェルターを作りたい人でも同様にローンを組むことができるように、まずは銀行に知識を持ってもらいたい。又、核シェルターを準備するほどの防災意識が高い建物であれば、火災保険の掛け金が安くなる。そんな社会になって欲しいから、各分野の企業に知識を持ってもらいたいのです。」
と答えました。
また、著者は、
「日本におけるシェルターの設計とその使用法については、広大な国土を有する、或いは湿度が低い諸外国に比べると、日本ならではの精密度と緻密度が要求されるべきであり、決して粗製乱造を許してはならない。」
とも述べています。
NPO法人日本核シェルター協会は、核や放射能などという言葉を口にすることさえタブーとされていた時代に、広島、長崎に投下された二発の原子爆弾の威力を只々恐れおののくばかりではなく、「放射能は防げる。冷静に科学的にその脅威と向き合うべきだ」と、おそらく日本で初めて公言した著者の勇気と信念を継承して設立されました。
概要
About us
名称 | 特定非営利活動法人 日本核シェルター協会 |
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代表者 | 理事長 池田 時浩 |
本部所在地 |
〒305-0032 茨城県つくば市竹園2丁目13番地30 問い合わせ:info@j-shelter.com (よくある質問はこちら) |
目的 | この法人は、一般市民に対して放射能の危険性についての研修会を開催し、又放射能についての知識を高めて、放射能の利用や核シェルター等の監視を行い、地球環境の保全を図ることを目的とする。 |
法人番号 | 4140005003880 |
設立年月日 | 2003年2月3日 |
役員 |
理事長池田 時浩 副理事長田路 至弘 理事内木 博喜 理事下田 直人 監事藤川 雅海 顧問矢代 晴実(元防衛大学校教授) 顧問濱本 卓司(東京都市大学名誉教授) 顧問奈良林 直(東京科学大学特任教授、北海道大学名誉教授) 顧問今村 文彦(東北大学 災害科学国際研究所 教授) 顧問中野 久夫 |
沿革
History
平成15年 | 2月 | 特定非営利活動法人 日本核シェルター協会 設立。 |
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平成18年 | 10月 | 北朝鮮による初の核実験。日本国内の核シェルターへの関心が一気に高まり、問い合わせが急増。 |
平成23年 | 3月 | 東日本大震災発生。放射能汚染・被ばく対策への意識が高まり、問い合わせが急増。 |
平成25年 | 放射能汚染の現状を知るため、福島県を視察。監督官庁である環境省を訪問。 | |
平成27年 | 高濃度放射能の高い処理技術を持つ技術者に関して、関係省庁との調整役として注力していく方針を固める。 | |
平成29年 | 8月 | 北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過。国内からの問い合わせだけでなく、世界各国のメディアからの問い合わせが急増。 |
令和元年 | 最新の核シェルター普及率に関する資料の収集の為、マレーシア、台湾に社員を派遣。 | |
令和2年 | 大規模災害が多発する中、「これからの災害に強い住宅」というテーマで勉強会を開き、活発な討論が行われた。 | |
令和3年 | 新型コロナウイルス蔓延の影響により、リモートでの勉強会を実施。 | |
令和4年 | 2月 | ロシアによるウクライナ侵攻。国内メディアからの問い合わせが急増。 |
9月 | 東日本に当協会の事業活動を拡大するにあたり、東日本本部を設立。 | |
令和5年 | 4月 | 池田時浩が新理事長に就任。 |
5月 | 茨城県つくば市にモデルルームオープン。 | |
本部を東日本本部に統合・移転。 | ||
7月 | 会員向けテキスト『核シェルター建設指針~基礎設計編』発刊。 | |
9月 | 核シェルターに必要なソリューションを展示するショールームを茨城県つくば市にオープン。 | |
自民党シェルター議員連盟に参加する国会議員10名が、当協会が運営するモデルルームとショールームを視察。 | ||
令和6年 | 2月 | 一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が発足させた「災害大国日本における有事に備えた地下シェルターに求められる性能・仕様の在り方検討ワーキンググループ」へ学識委員及び事務局として参加。 |
令和6年 | 7月 | 「日本核シェルター協会フォーラム 2024(後援:フィンランド大使館)」を開催。 |