核攻撃4大影響に対応した地下型「家庭用核シェルター」のメリット5選!
昨今、ロシアによるウクライナ侵攻において、プーチン大統領による戦術核使用の威嚇にはじまり、イスラエル閣僚によるパレスチナへの核兵器使用を肯定する発言など、世界では核攻撃の脅威が現実のものとして懸念されています。
当協会にも核シェルター建設に関する問い合わせが増えており、公共の避難シェルター整備はもちろん、家庭用核シェルターにも注目が集まっています。
核シェルターと一言に言っても様々なタイプが流通していますが、中でも4つの核攻撃の影響すべてに対応できる「地下型の家庭用核シェルター」について、今回はそのメリットについて解説していきます。
目次
核攻撃による4つの影響とは?
地下型の家庭用核シェルターのメリットを説明する前に、核攻撃による影響についても簡単に触れます。
核攻撃は恐ろしいものという認識は誰もが思っていることだと思いますが、では具体的にはどのような点が脅威なのでしょうか?正しく恐れることが重要かと思いますので、まずは基本的な核攻撃の影響について簡単に解説します。
核攻撃による影響は、大きく分けて下記の4つがあります。
①爆風
文字通り爆発によって起こる風(衝撃波)によって、人体や建物に被害を及ぼします。瓦礫や破片が飛散することによる2次被害や、人体も飛ばされて硬いものにあたることによる3次被害も起こります。また、粉塵による呼吸器官の損傷も含まれます。
②熱線・閃光
火玉が形成され熱線が発生します。皮膚の再生が不可能なⅢ度熱傷を起こし、Ⅱ度熱傷であっても放射線障害と重なると、これもまた皮膚の再生が不可能になります。また、閃光により網膜も熱傷を起こします。
③初期放射線
爆発時に瞬間的に放出されたガンマ線や中性子線により、放射能障害を引き起こします。特に中性子線は金属で防ぐことができず、透過を減少させるには水や分厚いコンクリートが必要になります。
④残留放射線
中性子線を浴びた地上の物質が放射化して、誘導放射性物質を作り放射線を発生させます。また、爆発の際に大気中に放出された放射性物質が、埃や雨となって降り注ぐ放射性降下物が発生します(いわゆる黒い雨)。いずれも近づいたり浴びることで放射能障害を引き起こします。
メリット1. 核攻撃の4つの影響に対抗できる
それでは実際に地下型「家庭用核シェルター」には、どのようなメリットがあるのか見ていきます。
前述の通り、核攻撃には大きく分けて4つの影響がありますが、様々な種類がある避難シェルターの中でも鉄筋コンクリートで仕上げた「地下型の核シェルター」であれば、これらすべての影響に対抗することができます。
その理由は下記の3点です。
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①地下に埋まっていることで爆風や熱線を直接受けない。
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②分厚いコンクリートで覆われていることで放射線の透過を減少させることができる。
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③NBCR対応※の換気装置を備えているため、残留放射線による室内の汚染を防ぐ。
※N(放射線)B(生物兵器)C(化学兵器)R(放射性降下物)をまとめてNBCRと呼びます。
このように核攻撃に対する影響すべてに対抗できることは、大きな意義があると思いますし、これこそ核シェルターの本質でしょう。
メリット2. 通常ミサイル攻撃に対抗できる
これまで核攻撃に対する影響について説明してきましたが、そもそも戦争や紛争といえば真っ先に使われるのは核兵器以外の通常兵器です。
昨今、ウクライナやパレスチナの悲惨な映像を見る機会が多いですが、そこに映るのは空爆で崩壊した市街地の建物やその瓦礫です。地上はとてもじゃないが人が生き残れるような状況ではないことを知ることができます。
核兵器の使用はハードルが高いですが、こういった現状を見るに武力攻撃が始まれば、通常ミサイルや爆撃は簡単に行われてしまいます。その時にも地下型のシェルターが有効なのです。
メリット3. 原発事故に対抗できる
先に紹介した通り核シェルターにはNBCR対応の換気装置が設置されていますので、原発事故などの放射性物質による空気汚染にも対抗できます。このNBCR対応の換気装置は密閉性を保つ室内であれば地上や地下に関わらず効果を発揮します。
しかし爆発などにより放射線(中性子線)が発生した場合は、木材や鉄製の壁では防げず、そこはやはり鉄筋コンクリートが必要になります。しかし地上の場合はコンクリートの厚さをかなり分厚くしなければならず、そうなると民間施設の建設としては現実性が低いものとなりますが、地下型の避難シェルターであれば、地上よりも厚さを取る必要がないため、この点はメリットになります。
メリット4. 地震、風害にも対抗できる
私たちが住む日本では、核兵器やミサイルの脅威だけでなく、頻繁に起こる地震や風害などの自然災害も目を背けられない脅威として存在します。
地下型の核シェルターはこうした自然災害にも有効です。もともと地下は地震による揺れの影響が少ないことが分かっていて、阪神淡路大震災では震度7エリアの地下施設であっても、その構造に与えた損害は軽微でした。( 核シェルターは地震に強いのか?についてはこちら )
また、鉄筋コンクリートで仕上げた地下型の核シェルターは、強烈な台風の7~8倍にも相当する爆風に耐えることができる仕様ですから、台風や竜巻による風害にも強さを発揮します。
メリット5. 在宅避難の実現
家庭用シェルターに対して、公共シェルターというのも存在します。世界的に見ると当たり前の概念ですが、日本には2023年現在、公共の”核”シェルターはありません。国が指定した全国主要都市の地下鉄や、地下街を利用とした避難施設があるのみです。しかし、すでに国も公共シェルターの整備に乗り出しており、今後は危険地域を優先的にするなど段階的にシェルター整備をしていくだろうと思われます。
そうした場合の公共シェルターは、やはり多くの国民を収容できるほどの普及が理想です。そして収容できる”箱”だけでなく、避難までの安全なフロー、食料などの備蓄品管理、治安維持といった課題解決のルールも行政レベルで定めていかなければいけません。
一方で公共シェルターが普及しても、家庭用シェルターには別の役割があります。それは現在、自然災害で使用されている避難施設でも起こっている「プライバシーの確保」「感染症リスク」「避難移動時の被害」などの問題の解消ができるという点です。
今「在宅避難」という考え方も重視されていて、自宅で安全が確保できるのであれば、備蓄をしっかりと行った在宅避難が推奨されます。様々な災害に適応できる家庭用の地下型核シェルターは、まさにその在宅避難に適しています。
まとめ
地震や台風が頻繁に発生する日本では、かねてから自然災害への対策は課題とされてきました。もちろん現在も様々な問題を抱えていますが、近年はそれに加えて戦争や紛争といった有事への懸念もあります。
これら多くの災害・有事に対抗できる地下型の家庭用核シェルターは、今後ますます注目され求められていくでしょう。
事務局
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