本日の予算委員会での石破議員による岸田首相への質問を受けて

本日2/26の衆院予算委員会で、自民党の石破議員により岸田首相への質問が行われシェルター整備についての議論が交わされました。

その中で石破議員から「なぜ日本のシェルター整備はこんなに遅れているのか」という訴えがありました。さらに重要な点は、「シェルター整備を進める担当省庁が明確でない」とう点も指摘しつつ「国民保護を専門に扱う政府部局の創設」を検討するよう求めていただいたことです。

これは兼ねてより当協会でも訴えてきたことであり、石破議員にも直接意見を述べさせていただく機会もございました。もちろんシェルターというハードを造ることは大前提ですが、やはりこれを運営・管理する組織やルールも重要になってきます。

世界を見ても、こういった国民保護措置を担う組織は独立した官庁となっています。日本で例えるならデジタル庁や消防庁などをイメージすると分かりやすいかと思います。世界的には国防省や内務省の中に外局が設けられています。

アメリカでは、FEMA(連邦緊急事態管理庁)と呼ばれる天災や人災に対応する専門機関があります。スイスでは、国防総省の中の市民保護・スポーツ庁が担っています。フランスやドイツ、ロシアなどにも担当する専門部局があります。一方で日本では、総務省消防庁の中に国民保護を行う組織はありますが、独立した大きな省庁ではありません。

スイスの例を改めて簡単に説明します。

発達するスイスの民間防衛システム

スイスの民間防衛組織

(図1)スイスの民間防衛組織

スイスでは国防省内に「市民保護・スポーツ庁」があり、その中に「市民保護局」が設けられています。スイスは連邦制のため、運用については各州政府で「市民保護調整部」が設置され、そこに「民間防衛隊」が置かれています(図1参照)。

この民間防衛隊は、消防、警察、州兵、医療部隊と連携して、有事に備えた活動を行っています。備蓄管理に関しては市民保護調整部が担っています。このように、スイスでは民間防衛の制度が非常によく整備されています。これについては別記事で詳しく説明していますので、下記のリンクよりご覧ください。

シェルター整備と同時に必要な運用ルール

シェルターを造設するということは、当たり前ですがそこに人間が避難するということでもあります。単にシェルターというハードを造っていけば良いという話ではなく、どういうルールでそこへ避難するのか?避難した後はどういうルールで生活するのか?などの運用が重要になってきます。

以前、スイスの2万人収容シェルターの問題について取り上げましたが、この運用を無視して進めていけば、造設後に避難訓練を行った結果、備蓄品の運搬や避難誘導が上手くいかないということになりかねません(過去記事はこちら)。

ですから、この運用ルールを定めることも大事ですし、それを運営・管理する専門組織を早急に創設する必要があるのです。今回の予算委員会での議論は、まさしくこの点にフォーカスしており、私たちも引き続き注目していかなければいけない論点なのです。

日本核シェルター協会 事務局

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