第2回シンポジウム『いまそこにある危機~シェルターと民間防衛』が開催されました。

2023年4月27日

本日、東京建築士会のセミナールームにて、シェルター等整備協議会主催「いまそこにある危機~民間防衛とシェルター」の第2回シンポジウムが開催されました。今回は前回の反省から会場にゆとりを持たせるため定員を設けましたが、お陰様で定員いっぱいのご来場をいただきまして、やはり核シェルター建設への関心の高さを感じました。ご来場いただいた方々、誠にありがとうございました。

いまそこにある危機~民間防衛とシェルター

東京建築士会のセミナールームにて開催。

今回もまずは一般財団法人災害支援財団理事長 岩城誠氏のご挨拶から幕を開けました。自衛隊のOBでもある岩城氏は、退官後も国民の安心安全な暮らしを民の立場からも守っていきたいという思いで活動されており、その立場から当協議会の趣旨と民間防衛の必要性を説明していただきました。

その中でも特に「防衛施設は短期間では出来ない。事があってからでは遅い。」というお言葉が、大変心に響きました。

一般財団法人災害支援財団理事長

般財団法人災害支援財団理事長 岩城誠氏のご挨拶

続いて当協会の理事である川嶋隆寛より、シェルターの基礎的な所の説明と、先日調査のために渡航したスイスの報告を行いました。

シェルターといっても、例えば風に乗って流れてくる放射性降下物を防ぐだけのフォールアウトシェルターと、放射線のみならず爆風・熱線も防ぐ地下型シェルターでは大きく異なり、それらが一緒くたにされている危険な状況を改めて説明したことは、大変有意義であったと思います。

また、核シェルターの世界基準とも言えるスイスのリアルなシェルター事情を伝えることができたことも、日本の危機意識の低さを改めて感じる機会になったと思いますし、今後シェルター建設に関わる方々にとっても重要な参考資料をご覧いただけたのではないかと思いました。

日本核シェルター協会の理事及び事務局長

日本核シェルター協会の理事 川嶋隆寛による説明

そして次に、一般社団法人SFI研究所代表のRieSasaki-Herman氏による、世界各国のシェルター事情を説明したいただきました。各国ともに年々シェルターの構造は進化していて、放射線や爆風だけでなくEMP攻撃にも対応し始めているという点は、大変貴重な情報であるとともに、こちらも日本の現状を嘆かざるを得ないお話でした。

また、米国で採用されているデーターセンターの安全性の基準である「ティア基準」についてもご説明いただきました。事実上、人体に直接的に影響を与えることになるインフラに関する危機管理も重要です。米国では最重要施設の場合は「ティア4」という最高ランクが基準となっており、これは世界基準でもあるとのこと。日本では重要施設がこの基準に達してないという問題提起をいただきました。

一般社団法人SFI研究所代表

一般社団法人SFI研究所代表のRieSasaki-Herman氏による説明

最後にはパネルディスカッションが行われ、今回は民間防衛が組織化されていない問題と、EMP対策についてディスカッションが行われました。

民間防衛については、自衛隊、消防、警察のOBを活用した組織がないことについて、米国の連邦緊急事態管理庁「FEMA」を参考に取り上げつつ、例えば民間防衛士の創設をするべきではないかと訴えました。

EMP対策については、例えばシェルター普及は既に100%を超えるスイスでは、数十年前に建設したシェルターの補修を行うといった2巡目に入っており、その際にEMP対策を同時に行うといった状況であるほどで、それくらい日本は遅れてるという指摘がされました。

パネルディスカッション

パネルディスカッション 民間防衛やEMP対策について

シンポジウムの最後には岩城氏により、現状防災は市町村の自治体が中心である以上、自治体に理解を求める必要があるということで、来場の皆様にもそれぞれが関わる業界団体等からも求めていって欲しいと訴えました。

今回も大変有意義なシンポジウムとなったと思います。次回開催も検討していますので、確定次第こちらのホームページやTwitterでご案内していきます。

一般財団法人災害支援財団

<ホームページ:https://dsf-j.org/

一般社団法人SFI研究所

<ホームページ:https://sfi.or.jp/

NPO法人日本核シェルター協会

<ホームページ:https://www.j-shelter.com/

日本核シェルター協会
事務局

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