SMBC日興証券 機関投資家向けセミナーで当協会理事の務台氏がシェルターの可能性について講演
日本でもシェルター設備の国産化が進む
(写真は株式会社イトーキが開発した特殊扉)
2025年7月29日、SMBC日興証券株式会社が主催する機関投資家向けセミナーにて、当協会の理事であり、「シェルター(堅固な避難施設)および地下利用促進議員連盟(以下、シェルター議連)」のアドバイザーを務める務台俊介氏が登壇し、講演を行いました。
ロシアによるウクライナ侵攻、台湾海峡を巡る緊張の高まり、中東地域における不安定化といった国際情勢を背景に、日本国内においても企業・個人を問わず核シェルターへの関心が顕著に高まっています。とりわけ、政府が推進するシェルター整備の動向は、投資家にとっても注視すべき重要な要素となっているようです。
進まぬ課題と市場の創出機会
講演で務台氏は、当協会の活動概要の説明に始まり、シェルターに関する基礎知識や設備の国産化を進める国内企業の先進的な取組事例を紹介。さらに、日本政府による調査活動や国内整備の進捗状況など、活発化するシェルター事業を取り巻く現状について概要を説明しました。
また、こうした国内の動きがある一方で進まぬ課題も残されており、講演ではシェルター議連による内閣総理大臣への提言書に触れながら、この点についても説明を行いました。例えば、重要インフラであるデータセンターのシェルター化や、電磁パルス(EMP)攻撃に対する情報インフラの防護対策が遅れている点が、その代表的な課題として挙げられます。
しかし、こうした分野は裏を返せば、今後の政策支援や社会的関心の高まりを背景に、新たな市場として成長する可能性が高い領域でもあります。特に、データセンターや通信拠点の防護強化、レジリエンス向上といった分野は、民間技術が活用される余地が大きく、投資対象としても注目に値するといえます。
そしてこのことが結果的に、民間資本の流入を促し、整備の加速と国の防災・安全保障強化にもつながると考えられます。
海外交流で示された日本の技術の可能性
講演では、務台氏が実際に視察したスイスやウクライナでの取り組みを紹介。日本とスイスにおける法制度の違いに触れつつ、日本国内においてもシェルターに関連する各分野での法整備の必要性にも言及がありました。
以前にもお伝えしましたが、戦時下においてシェルター整備を進めているウクライナでは、日本のコンクリート業界が有する要素技術(軽く、強く、放射線遮蔽率が高い)に対し、ウクライナ政府関係者から高い関心が寄せられています。
日本はシェルター後進国とされながらも、すでに国内に蓄積されている高度な技術によって、国際的なシェルター整備への貢献が可能であるという事実が浮き彫りになっています。この点は、これまで当協会が行ってきたポーランドやフィンランドなどのシェルターの専門家との意見交換でも明らかになっていた点です。
(関連記事:「シェルター(堅固な避難施設)および地下利用促進議員連盟」 第11回総会にてウクライナ地下シェルター視察を報告)
最後に
本講演では、シェルター整備をめぐる現状と課題、さらに日本の技術力の可能性を機関投資家の皆様に共有できる貴重な機会となりました。参加された方々からは、技術的な点や設置費用などについて多くの質問をいただき、その関心の高さが伺えました。
こういった活動をきっかけに適切な投資と支援が進むことで、シェルターの普及促進と技術革新の加速につながることを期待します。


