年頭所感~シェルター元年に向けて

2024年辰年

新年、明けましておめでとうございます。

一昨年のロシアのウクライナ侵攻から始まった不安定な世界情勢は、昨年、より一層深刻化しました。ハマスのテロに始まるイスラエルの紛争はまだしばらく続きそうです。ロシアのウクライナ侵攻も停戦の兆しはありません。

東アジアに目を向けると、台湾を巡る不安定な情勢はより一層深刻化し、北朝鮮はミサイル実験を繰り返しています。北朝鮮は11月には軍事偵察衛星を打ち上げ、高高度核爆発による電磁パルス攻撃を実行する能力があることを世界に誇示しました。

こうした状況を受けて、2022年12月に発足したシェルター議員連盟による精力的な活動が行われ、政府もシェルター整備に向けて本格的に動き始めました。

昨年は当協会を取り巻く状況も激変しました。

5月には、スイス民間防衛仕様に基づいた本格的な核シェルターのモデルルームをオープンし、9月には核シェルターに使用する各種ソリューションを展示したソリューションルームをオープンしました。

このモデルルームとソリューションルームには、シェルター議員連盟の皆様をはじめ、政府関係者や関連省庁、シェルター整備を要望する自治体、シェルター整備に向けて準備を進める設計事務所や建設会社、さらには建設コンサルタントなど、さまざまな方にご視察にいらしていただいております。

当協会ではシェルター議員連盟の事務局の補助も行うことになり、今後のシェルター整備のお手伝いも進めてまいります。

また、テレビや新聞などの取材も相次ぎ、世界基準の核シェルターの存在を広く皆様に知っていただけることができました。「シェルター」になじみの薄い日本では、これまで核シェルターの存在はほとんど知られていなかったため、世界基準の核シェルターの存在を皆様に知っていただく良い契機になったと自負しております。

2024年は政府もシェルター整備に向けて本格的に動き始めます。シェルター議員連盟の積極的な働きかけによって、シェルター整備のために調査業務を進めていく予定です。当協会も海外のガイドラインの情報提供など協力を進めています。

また、シェルター議員連盟のお手伝いや、自治体のシェルター整備計画への協力、さらに当協会が提唱した「廃校校庭シェルター化プロジェクト」の推進を行うことで、シェルター整備に邁進します。

2024年を「シェルター元年」という記念すべき年にするために、当協会は尽力してまいりますので、今年も引き続き当協会へのご支援をお願い申し上げます。

特定非営利活動法人 日本核シェルター協会
理事長 池田 時浩

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