【日本核シェルター協会声明】ウクライナ侵攻から本日で丸4年 ― 平和への祈りと現実への備え

2025年2月 ウクライナ現地視察にて撮影

(2025年2月 ウクライナ現地視察にて撮影)

2022年2月24日、4年前の今日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったその日は、世界にとって忘れることのできない一日となりました。当たり前だった日常が揺らぎ、平和の尊さがあらためて考えさせられた日でもあります。

犠牲となられたすべての方々に深い哀悼の意を表します。また、不安と困難の中で日々を過ごしておられるウクライナの皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

戦闘とミサイル攻撃は今なお続き、多くの都市が破壊され、学校や病院、住宅が深刻な被害を受けています。国連の確認によれば、損壊した学校は累計約1,611校に上り、子どもたちの安全と教育環境が甚大な影響を受けています。

私たち日本核シェルター協会は、これ以上の犠牲が生まれることのないよう、一日も早い戦闘の終結と、主権と平和が回復されることを心より願っております。

ウクライナ現地視察での体験

2025年2月、私は戦火の続く紛争地域におけるシェルターの実情を確かめることに大きな意義があると考え、ウクライナ・キーウを訪れました。理論や資料のみでは捉えきれない現実がある。その認識のもと、最前線の実情に触れるための視察でありました。

入国に先立ち、スイス・チューリッヒに立ち寄り、親交のあるウクライナ避難民のご家族を訪ねました。そのご家族の父親が前年に戦地で命を落とされたことを承知していたからこそ、どうしても入国前にお目にかかりたいとの思いがありました。深い悲しみを胸に抱きながらも懸命に前を向こうとされるご家族のお姿に接し、戦争が人々にもたらす現実の重みを、痛切に胸に刻むこととなりました。

現地入りしてからは、深夜に鳴り響く警報とともに、低く重い爆発音と地響きを体感いたしました。未曾有の恐怖の中で、シェルターが身を守るための単なる設備ではなく、精神面も支える拠り所であることを、身をもって知るに至りました。

この一連の体験は、平和な日本に暮らす私たちに対し、「決して他人事ではない」という厳然たる現実を突きつけるものであり、日本人として何を学び、いかに備え、いかに行動すべきかを深く問いかけるものでした。

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シェルター整備を進めるウクライナ

ウクライナでは、戦時下における緊急対応として、道路沿いなどに設置される簡易的な「ロードサイドシェルター」の整備が各地で進められています。これは市民が迅速に避難できる環境を確保するという点で一定の役割を果たしています。一方で、耐爆性能や長期滞在機能を備えた世界水準の地下シェルターの整備は、いまだ十分とは言えないのが現状です。

こうした状況を踏まえ、より恒久的かつ高度な民間防衛体制の構築に向けた動きも始まっています。その象徴が、昨年発表されたフィンランドとの「民間防衛シェルター連合」の結成です。長年にわたり国民保護シェルターを整備してきたフィンランドの知見と技術を活用し、高性能な地下シェルターの建設を進める枠組みが示されました。

ウクライナ政府は、戦禍の中にありながらも、将来を見据えた防護インフラの高度化へと歩みを進めているのです。

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最後に

ウクライナ国民の皆さまは、懸命な努力を重ねながら、戦禍という深い苦難の中にあっても希望を失うことなく、未来を切り拓こうとされています。

侵攻から4年を迎えた今、あらためて問われているのは、国際社会がいかに連帯し、協調しながら平和と安全を支えていくかという姿勢です。日本政府におかれましても、引き続きウクライナへの人道的な支援を継続されることを期待いたします。

私たち日本核シェルター協会は、その歩みに深い敬意を表するとともに、人命を守るための環境整備の重要性を、国際的な視野に立って訴え続けてまいります。

日本核シェルター協会
理事長 池田 時浩

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