Q.核シェルターは、地下でないとダメですか?

A.世界的にはシェルターは地下に鉄筋コンクリートで建設することが基本となります。

リスクの想定を核攻撃にした場合、被害影響としては「爆風(衝撃波)、熱線、放射線、残留放射線(誘導放射線、放射性降下物)」の人体、建物、設備に直接被害を及ぼすものと、設備に直接被害を及ぼさない「電磁パルス」があります。

このうち、「爆風」ひとつとっても、風速数百メートルという風が吹いてくる可能性があります。スイスなどでシェルターの耐圧基準として採用されている1バールの過圧を風速に変換すると約405m/sです。台風の「猛烈な風」が風速54m/sですので、その恐ろしさがおわかりいただけるかと思います。地上にいて、この1バールの過圧を受けると、眼球崩壊、鼓膜の破壊、呼吸器の損傷、内臓破裂などの被害を受けます。

海外のシェルターの技術指針では地上の建物は崩壊することを前提として策定されています。「熱線」も、直接的な熱波によって窓の近くであれば火傷を負います。それ以上に怖いのが火災です。熱線の影響で大規模火災が発生しますが、この大規模火災は火災旋風という炎の竜巻が発生するレベルに相当し、火災旋風に巻き込まれると地上で生き残るのは困難です。

こうした被害影響があるので、シェルターは地下に建設することが国際的には標準となっています。

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