戸田建設株式会社が核シェルターモデルルームを見学 ー 地下シェルターに活きる「さくさくJAWS工法」とは
核シェルターモデルルームを見学された戸田建設株式会社の皆様
当協会の会員企業である戸田建設株式会社の社員の皆様が、核シェルターモデルルームを見学に訪れました。今回は、これまで見学の機会がなかった設計担当の方々に、実際にシェルターを体感していただくことができました。同社の先進的な技術「さくさくJAWS工法」は、今後のシェルター整備を支える重要な技術の一つとして期待されていますので、その概要についてご紹介します。
都市部における地下シェルター建設の課題
今後日本国内のさまざまな都市・地域にシェルターが造られていくことが想定されますが、特に都市部で地下シェルターを建設するには、いくつかの課題があります。
まず、建物や道路、ライフラインが密集しているため、大規模な工事を行うのが難しいという点です。さらに、地下水位が高い地域が多く地盤改良が不可欠で、コストや工期が膨らむことが予測されます。
加えて、大人数をシェルターへ収容するには広い空間が必要ですが、大断面の地下空間を一気に掘ると周囲の地盤への影響が大きく、安全性を確保するのは容易ではありません。つまり、都市部で安全かつ効率的に大規模な地下空間をつくることが、地下シェルター建設においては大きな課題なのです。
安全に地下大空間をつくる技術「さくさくJAWS工法」
「さくさくJAWS工法」は、同社が開発したトンネル構築技術です。通常のトンネル工事では一気に大きく掘削するため、周辺の地盤や建物へ影響が及び易くなります。これに対し本工法は、小さな断面のエレメントを一つひとつ掘削・連結し、先に外殻を構築する方式を採用しています。その結果、地盤への影響を抑えることが可能で、前述した課題の解決策として大きく期待されている技術です。
鋼殻構造体の構造図(左図)とさくさくJAWS工法の全体構成イメージ(右図)
また、日本の地下には地下水がつきものですが、「さくさくJAWS工法」は止水性能を備えた継手構造と密閉式推進機を採用しています。そのため、追加の地盤改良工事をしなくても地下水に対応できるのが特長で、これは工期の短縮にもつながります。この点からも大規模な地下シェルター建設において、まさに求められる技術と言えるでしょう。
最後に
このような先進的な技術の活用が期待される中、今回は同社の社員の皆様に実際にシェルターを体験していただくことで、自社の技術が活かせる場面をより実感していただけたのではないかと思います。
当協会としても、こうした会員企業の先進技術が存分に活かされるよう支援しながら、シェルター整備の推進と安全・安心な社会づくりに寄与してまいります。


