【日本核シェルター協会声明】原爆投下から79年を迎えて・・・

原爆投下から79年を迎えて 原爆ドーム

私たちの国、日本に原子爆弾が投下された時から、今年で79年目を迎えます。私たちはあの未曽有の悲劇と、その後に続いた多くの人々の苦しみを忘れることはありません。

79年前の8月6日と8月9日に、広島、長崎に投下された原子爆弾は、一瞬にして数十万人の命を奪い、都市を廃墟に変えました。それだけでなく、その後も多くの人々が放射線被害に苦しみ続けました。この出来事は、私たちに核兵器の恐ろしさと、その使用がもたらす壊滅的な影響を強く認識させました。

昨日、岸田首相は広島の平和記念式典に出席し、「核兵器のない世界実現」への決意を示されました。一方で、ロシアのウクライナ侵攻を見るに、核軍縮を巡る情勢は一層厳しさを増しているとも指摘されておりました。私たちが望む世界と現実との乖離には非常に残念な気持ちにさせられますが、当協会としては核兵器の廃絶を強く求めるとともに、現在の不安定な国際情勢の中で、改めて核シェルターの重要性を強調いたします。

シェルター整備については日本政府も手をこまねいているわけではなく、具体的な動きを見せています。この春にはシェルター整備に関する方針を発表。技術ガイドラインも第2版まで進みました。また、今年の骨太の方針には「シェルター」や「地下施設」といった具体性のある用語を盛り込みました。これは予算取りの観点からも重要な前進です。

そして岸田首相は、シェルター整備に関連する関係省庁連絡会議の開催を指示し、1府12省庁で連携していく仕組みを作りました。当協会としても、この一連の動きを強く支持しております。

しかしながら、良い事ばかりでもありません。この春に発表されたガイドラインには、CBRN(化学、生物、放射性物質、核)対応が盛り込まれていませんでした。避難期間を2週間に設定するなど、明らかに放射線の減衰期間を考慮したとみられる想定がされているものの、現実として盛り込まれていない以上、当協会としても関係団体や企業と協力しながら引き続き訴えていくつもりです。

先日の当協会が主催したフォーラムでも、顧問の奈良林先生による核攻撃による被害影響のご紹介がありましたが、出席者一同、改めて79年前の悲劇を二度と繰り返してはいけないと決意を新たにしたところです。

当協会としても、未来の世代に向けて平和の大切さを訴え続けるとともに、核兵器の恐ろしさを決して忘れることなく、やはり万が一に備えた核シェルターの普及のために尽力して参ります。

日本核シェルター協会 事務局

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