シェルター整備の課題と展望を議論!日本核シェルター協会フォーラム2026開催

開会の挨拶をされる日本核シェルター協会の池田時浩理事長
日本核シェルター協会は、7月14日に砂防会館(東京都)において、「日本核シェルター協会フォーラム2026」を開催いたしました。本フォーラムは二部構成で開催され、第一部では講演およびパネルディスカッションを中心としたフォーラムを実施し、第二部では参加者同士の交流を深める懇親会を開催しました。
本フォーラムは、「シェルター(堅固な避難施設)および地下利用促進議員連盟」(以下、シェルター議員連盟)の後援のもと開催され、シェルター整備を取り巻く国政の最新動向や、今後の施策の方向性について理解を深めるとともに、関係者による活発な意見交換が行われる貴重な機会となりました。
開会の挨拶ならびに来賓挨拶
はじめに、当協会の池田時浩理事長による開会の挨拶では、協会の理念でもある「災害や有事に備え、安心できる避難環境を日本に根付かせること」の重要性を訴えました。また、自身と親交のあるウクライナ避難民のご家族に起きた痛ましい出来事を紹介し、平和な日常が失われる現実と、命を守るために備える必要性について、参加者に深く問いかけました。
続いて、シェルター議員連盟代表の古屋圭司 衆議院議員(衆議院憲法審査会会長)をはじめ、幹事長の片山さつき参議院議員(財務大臣・内閣府特命担当大臣)、副幹事長の若林洋平参議院議員(防衛大臣政務官)が登壇し、それぞれご挨拶をいただきました。日本におけるシェルター整備の重要性や今後の政策の方向性について、それぞれの立場から力強いメッセージが述べられ、シェルター整備に向けた国の取り組みへの期待が示されました。

シェルター議員連盟会長 古屋圭司衆議院議員

シェルター議員連盟幹事長の片山さつき参議院議員

シェルター議員連盟副幹事長の若林洋平参議院議員
また、シェルター議員連盟に所属する、丸田康一郎 衆議院議員、尾花瑛仁 衆議院議員、黒崎祐一 衆議院議員、稲葉大輔 衆議院議員、三原朝利 衆議院議員、三ッ林裕巳 衆議院議員、額賀福志郎 衆議院議員(代理)にもご列席いただけたことは、シェルター整備に対する国政レベルでの関心の高さがうかがえます。
さらに、昨年開催したフォーラムにご出席いただいた小池百合子東京都知事から寄せられたメッセージが代読され、お祝いの言葉とともに、東京都におけるシェルター整備の取り組みについて紹介されました。
また、ボスニア・ヘルツェゴビナのマト・ゼコ駐日全権大使をお迎えし、ご祝辞を賜りました。同国で起きた内戦により、家族や友人を失ったご自身の経験をもとに、シェルターの重要性についてお話しいただきました。その言葉は、戦争の現実を知る当事者だからこそ伝えられる重みがあり、参加者一人ひとりの胸に深く響くメッセージであったと感じます。

ボスニア・ヘルツェゴビナ マト・ゼコ駐日全権大使
内閣官房 内閣審議官 笹野健氏による基調講演
基調講演では、内閣官房 内閣審議官の笹野健氏が登壇されました。笹野氏は、本年3月に政府が閣議決定した「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針について」の取りまとめに携わった立場から、その背景や今後の方向性について解説していただきました。

内閣官房 内閣審議官 笹野健氏
また、全国の自治体における避難施設の整備状況や避難訓練の先進的な取り組みが紹介され、平時からの備えを着実に進めることの重要性が示されました。特に都市部では、自然災害時の帰宅困難者を受け入れる「一時滞在施設」と、武力攻撃事態における「一時避難施設」を兼ね備えるデュアルユースの考え方が重要であることが強調されました。
このデュアルユースの考え方は、新たに整備されるシェルター施設にも求められます。災害が多く、さまざまな危機への備えが必要な日本において、シェルターの普及を進めるうえで重要な指針となることが期待されます。
2つのパネルディスカッションで課題と展望を共有
基調講演の後、2つのパネルディスカッションが行われました。一つ目は、当協会の顧問でもある濱本卓司先生(東京都市大学名誉教授)をモデレーターとして、4名のパネラーが本年3月の閣議決定を起点に、ハードとソフトの両面から避難環境づくりの課題や展望を議論しました。

モデレーターを務める濱本卓司氏(東京都市大学名誉教授)

4名のパネラー:右から、東畑 郁生氏(関東学院大学 特任教授)、奈良林 直氏(北海道大学 名誉教授)、北上 靖大氏(株式会社構造計画研究所)、濱口 和久氏(拓殖大学 特任教授)
二つ目は、こちらも当協会の顧問でもある矢代晴実先生(元防衛大学校教授)をモデレーターとして、4名のパネラーが、ウクライナ・イスラエル・スイス・北欧諸国の海外視察で得た、各国の制度や技術基準の知見を踏まえ、法整備・技術・空間(マルチユース)・民間投資の観点から、日本型モデルのあり方を議論しました。

モデレーターを務める矢代晴実氏(元防衛大学校教授)

4名のパネラー:右から、務台 俊介氏(東京医療保険大学 特任教授 / 元衆議院議員)、梅本 勝弥氏(川崎重工株式会社)、浅沼 博氏(千葉大学 名誉教授)、栃折 宣彦氏(株式会社大林組)
総勢8名の各分野の専門家が登壇し、それぞれの専門的な知見や実務経験を踏まえ、多角的な視点から活発な議論が交わされました。シェルター整備は、防災、建築、行政、危機管理など幅広い分野が密接に関わるテーマであることが改めて示され、今後の取り組みに向けたいくつかの示唆が共有されました。
参加者からは「非常に充実した内容だった」「多角的な視点から理解を深めることができた」といった声が寄せられ、シェルター整備への関心の高まりとともに、本フォーラムの意義を実感いただける機会となりました。
第一部の締めの挨拶として、当協会理事でもある株式会社イトーキの河西勉氏が登壇され、当協会の理念や活動の目的を改めてお伝えいただきました。また、同社が開発した特殊扉「BOUNCEBACK(バウンスバック)」の性能を紹介する映像が上映され、日本企業が有するものづくりの力、シェルター整備を支える技術的ポテンシャルの高さが印象づけられました。

締めの挨拶をされる河西 勉氏(株式会社イトーキ)
シェルター技術の展示と交流
会場内には会員企業による展示ブースを設け、シェルター関連製品や最新の技術・ソリューションを紹介しました。来場者は模型や各種展示を通じて、シェルター整備に必要となる設備や技術への理解を深めるとともに、各企業の担当者との活発な意見交換が行われました。

展示ブースでは来場者との活発な交流が行われた
また、会場にはテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」の取材が入り、フォーラムの様子や会員企業による展示ブース、シェルター整備を取り巻く最新の動向などが取材されました。あわせて、当協会の池田時浩理事長へのインタビューも行われ、日本におけるシェルター整備の現状や今後の展望、当協会の取り組みについてお話ししました。

同日放映されたテレビ東京・WBSの取材を受ける池田時浩理事長
懇親会を通じた意見交換と交流
第二部では懇親会を開催し、会員企業をはじめ、シェルター整備に携わる関連企業や有識者、行政関係者など、多様な立場の参加者が一堂に会しました。フォーラムで取り上げられたテーマを踏まえ、実務や政策、技術開発など幅広い視点から活発な意見交換が行われ、参加者同士の交流を深める貴重な機会となりました。
懇親会では、シェルター議員連盟事務局長の佐々木紀衆議院議員(国土交通副大臣)ならびに藤井比早之 衆議院議員、石井苗子 参議院議員、そして元航空幕僚長の田母神俊雄氏よりご挨拶をいただき、シェルター整備のさらなる推進に向けた期待と激励のお言葉を頂きました。

シェルター議員連盟事務局長の佐々木紀衆議院議員(国土交通副大臣)

藤井比早之 衆議院議員

石井苗子 参議院議員

田母神俊雄氏(元航空幕僚長)
終盤には、当協会会員企業である仙台東商事株式会社 代表取締役 我妻大志氏による中締めが行われ、参加者全員で今後のさらなる連携とシェルター普及への決意を新たにし、本フォーラムは盛会のうちに閉会となりました。

中締めの挨拶をされる我妻大志氏(仙台東商事株式会社 代表取締役)
本フォーラムを無事に開催できましたのは、会員の皆様をはじめ、関係各所の皆様からの温かいご支援とご協力の賜物です。ご参加・ご登壇いただいた皆様、ならびに開催にご尽力いただいた関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
政府が新たなシェルター整備の方針を打ち出し、国全体として取り組みが本格化しつつある今、当協会に求められる役割はこれまで以上に大きくなっています。今後もシェルター議員連盟の国会議員の皆様をはじめ、行政機関、自治体、企業、研究機関など関係各所との連携を一層深めながら、日本におけるシェルター整備と、安全・安心な避難環境の実現に向けて取り組んでまいります。
引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


