ボスニア・ヘルツェゴビナの悲劇「スレブレニツァの事件」追悼式典に当協会理事長が出席

式典で追悼の辞を述べる理事長の池田時浩

式典で追悼の辞を述べる理事長の池田時浩

7月11日、東京都内にある開智日本橋学園中学・高等学校にて、ボスニア・ヘルツェゴビナで30年前(1995年7月11日)に起きた「スレブレニツァの事件」(Wikipediaへ)の追悼式典が開催されました。追悼式典には、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府特使 ゼニツァ=ドボイ県財務大臣や 駐日全権大使のマト・ゼコ大使が参列し、犠牲者への哀悼の意を表しました。

また、当協会の理事長であり、在つくばボスニア・ヘルツェゴビナ名誉領事でもある池田が追悼の辞を述べ、平和への願いを参加者の皆さまと共有いたしました。

同校の生徒たちは実際にボスニア・ヘルツェゴビナを訪れ、現地の学生との交流を通じて事件の歴史を深く学んでいます。生徒たちが主体となって開かれたこの追悼式典は、国境を越えて歴史を継承し、平和構築への強いメッセージを発信する場となりました。

こうして未来を担う若い世代の皆様が、悲しい過去の出来事に真摯に向き合い、学び、未来の平和を描こうとする姿は、私たち大人世代にとっても大きな励みとなりました。

最後に、式典での理事長の池田による追悼の辞をここに掲載させていただきます。

スレブレニツァ事件追悼式典 追悼メッセージ

皆様、本日はスレブレニツァ事件30周年追悼式典にお招きいただき、誠にありがとうございます。この場で皆様にお話しする機会をいただき、心から感謝申し上げます。

スレブレニツァで起きたことは、決して忘れられてはならない悲劇です。1995年の夏、わずか数日のうちに8,000人以上もの人々が命を奪われました。これは、人類が経験した暗く悲しい悲劇の一つであり、私たちに深い悲しみをもたらしました。

日本もまた、戦争の悲劇を深く知る国です。戦争がもたらす悲劇は、場所や時代を超えて共通の痛みとして存在します。スレブレニツァの悲劇は、遠い異国の出来事ではありません。私たちは過去の歴史、悲劇から改めて平和の尊さに気づく事ができます。

過去に何が起こったのかを知ることは、未来をより良くするために不可欠です。多くの人命を奪った、過去の悲しい悲劇を知る事を、まず第一歩とし、この式典を通して、平和は決して当たり前ではない事を、改めて考える機会にして頂きたいと思います。

平和は、私たちの努力と、選択の積み重ねによって築かれ、維持されるものです。異なる文化や背景を持つ人々と、積極的に交流し、多様性を尊重すること、困難な状況でも、対話の道を諦めないこと。小さな行動に思えますが、私たち一人ひとりの姿勢が平和につながるのではないかと思います。これから未来を築くのは、まさに皆様です。

スレブレニツァの悲劇を風化させることなく、その教訓を胸に刻み、誰もが安心して生きられる、より公平で平和な世界を築いていってほしいと心から願っています。そのためには、皆様が、今日心で感じたことを忘れずに、平和のために何ができるかを考え、行動していくことが大切です。

過去の過ちから学び、二度と同じ悲劇を繰り返さないという強い意志を持つこと。これらこそが、未来を築くための鍵だと信じています。本日の追悼式典が、皆様と共に平和への決意を新たにし、希望に満ちた未来を築くための機会となることを心から願っています。

二〇二五年 七月十一日
日本核シェルター協会 事務局

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