核不拡散、核軍縮、そして核シェルター

2022年11月18日

世界には核を保有している国が多数ある。発電エネルギーとしての活用、軍事利用、またその両方と保有の理由は様々…。ご存知の通り日本も原子力発電のため核保有をしている国のひとつだ。

核は使い方次第で大きなメリットもデメリットも生み出す。そのため非人道的な核の利用を回避する目的で定められた条約が複数ことをご存じだろうか。そのひとつが『核兵器不拡散条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons : NPT)』だ。2021年5月時点で締約国は191か国・地域となっている。

国旗イメージ

ここでいう「核不拡散」とは、核兵器やそれを運ぶミサイルだけでなく開発の為の物資や技術の広まりを抑制したり阻止するための取り組みのこと。主な内容は条約の署名が開始された1968年当時すでに核兵器を持っていたアメリカ、ソ連(現ロシア)、イギリス、中国、フランスを核兵器国、それ以外を非核兵器国と定義して5か国には核軍縮を、それ以外の国には核兵器保有を禁止し、核(原子力)の平和的利用を図るというものだ。もちろん日本も締約国になっている。

しかし、惨劇を繰り返さない、平和維持のためのこの条約、50年以上の歴史はあるものの課題、問題点も多い。しばしば議論になっているのが、5か国が特別扱いされて核軍縮も思うように進んでいないこと。そして非締約国であるインド、パキスタン、イスラエルと一方的に条約から離脱した北朝鮮の核兵器増強。非核兵器国からの非難は増す一方である。

今年8月にニューヨークで行われた会議でも、「核軍縮は、以前に比べればすすんでいる」と主張する核兵器国との議論は全く歩み寄ることはなかった。この会議は5年に一度なのでこのまま状況が悪化することを懸念する声も多かった。この情勢を何の対策も講じることなく乗り切ることは非常に困難かつ危険といえるだろう。「核なき世界」の実現が難しいのならば、そのためにも核シェルターの普及、設置補助、支援に向けた法整備に一刻も早く取り組むべきである。

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